このコーナーはみなさんから寄せられた質問に答えた内容を紹介したものです。練習の参考になれば幸いです


相 談

はじめまして高校生の女です。私はすごいハンドが好きでいっぱい練習して強くなりたいのですが、チームのメンバーにはほどほどでいいやみたいな雰囲気があって練習に積極的ではありません。
 私のチームは県内では敵なしですが県外の大会では弱小で相手にされません。中学からハンドをやってきた私としてはそんなんでは悔しいのでみんなにちゃんとやろうみたいなことを言うと、情熱的だとか熱血とか言って馬鹿にされたり、私は不器用だし筋力もなくて高校からハンドを始めた人よりも下手なので、あいつは下手なくせにえらそうなこと言ってウザイんだよとか言われてみんなと微妙な関係になってしまいました。
 今日も監督が最初はいなかったのでアップにサッカーをやっていたら、後から来た監督に勝つ気が無いなら勝手にしろって感じに見捨てられてしまい監督は男子にしか指導をしなくなってしまいました。
 強くなりたいとか勝ちたいとかっていう個人の気持ちだけではどうしようもないことになってしまって、ホントに明日からどうしようと思うとかなり泣きそうで切ないです。今までは我慢してきたけどあまりにもつらくて誰かに聞いて欲しかったので投稿します。


 「私はすごいハンドが好きでいっぱい練習して強くなりたい」この気持ちがあるだけですばらしいことです。ぜひ、この気持ちだけはこのまま持ち続けてください。

 さて、人間には二通りの生き方があって、一つはまわりの人たちと同じように環境に流されながらその日暮らしをしていく生き方、もう一つは常に理想を追い求めながら進歩向上を目指す生き方です。

 モモさんは後者の方に分類されると思います。私たちが企業活動の中で必要とするタイプの人材です。ただ、こういうタイプはあまりに数が少ないということと、新しい行動を伴うことが多いため、その日暮らしの人から見れば「面倒」で「やっかい」な存在になってしまいがちです。

 「高レベルの勝つよろこびを味わう」よりも「今を楽しみたい」と思っている人に、勝ちたいから頑張ろうと何度叫んでも、実際に勝った後の楽しみがわからないので効果は薄いですし、モモさん一人が浮いてしまうことにもなりかねません。

 ですから、練習に取り組む心構えを「試合に勝つため」よりも、「自分のハンドボール技術の向上」ということに切り替えてください。
 つまり、自分が練習にどうかかわるのかということから始めるのです。人をどうさせるということではなく、自分がどうするかです。上手くなりたいならば、ハンドが好きならば、自分だけは一つ一つの練習に手を抜くことなく、練習の目的をしっかり理解して毎日を充実させてください。

 サッカーだってハンドボールを上達させるための練習ととらえるのです。パス&ランをしっかりやれば空きスペースの攻略技術の上達になりますし、急激に全速力で走ったりタラタラして位置取りを変えたりするのも、DFをあざむくための実践的な練習になります。

 「明日からどうしようと思うとかなり泣きそうで切ない」ということですが、「一人になってもハンドボールをやり続けたい」というぐらいの気持ちがあればなんにも恐くないはずです。監督に何を言われようとも同僚に何を言われようとも関係ない、くらいの強い気持ちを持って欲しいですね。モモさんが「ハンドボールが好き」という事実は少しも揺るがないはずですから。

 それと、一人ではどうしてもつらいというならば、同じ考え方の味方を一人つくってください。二人いればつらいことは二分の一になりますし、うれしいことは二倍になるはずです。

 あなたは他の人が持っていないすばらしい性格を父母から受け継いでいます。将来必ず集団から必要とされる人間です。くれぐれもあせらず、地道にコツコツと努力してください。そうすればいつか必ず環境が変わってフォローの風が吹くことがあります。