このコーナーはみなさんから寄せられた質問に答えた内容を紹介したものです。練習の参考になれば幸いです


相 談

僕は試合のとき毎回30点ほど決められてしまいます。
シュートを止めに行くまでの時間が長いようなのです。どうすれば反射神経をよくすることができますか?
 あと、僕は相手がロングシュートを打つ前に動いてしまう癖(?)があり、簡単に逆を衝かれます。
相手のフェイントやタイミングのずらしなどにはどのように対処したら良いでしょうか?



 毎回30点以上決められるというのは、とてもキーパーだけの責任とは思えません。一般的にはDFが悪いから大量得点されるという風に考えられますが、実際どうでしょう。

 まず、失点のうち何パーセントがセットオフェンスで取られ、何パーセントが速攻で取られているかを調べて見てください。セットオフェンスでの得点が多いのならば、DFが悪い(DFとキーパーとの連携を含む)と考えられますし、速攻得点が多いならばオフェンス時のパスミス・キャッチミス・シュートミスが多いということです。それなりの対処の仕方が必要になります。

 相手の走り込むコースやシーンに合わせて、「ひっかけ」と「ながし」のどちらに打たせるのかを事前にDFと話し合って決めておいてください。これだけで随分キーパーとしては楽になるはずです。

 次に、キーパーとして最もやってはいけないことは、「ボールを恐れる」ということです。腰が引けて、シュートされたあと手足を出すような格好になることが多くなります。そんなことは無いと思っている人に意外とこういうタイプが多いのです。

 積極的に前へ出て位置取りをして、相手を追い込んで打たせるのです。この場合、勝負(シュート)地点を予測し、そこから打たせて一番捕球しやすい位置に位置取りします。あまり早く移動すると逆方向に打たれますので、ギリギリまでガマンして勝負地点を悟らせないようにしなければなりません。これだけできればもう80%以上は問題が解決されます。

 あとは反射神経の部分となりますが、一番良い練習はシャドウキーピングです。やりかたについてはハンドボール教室相談85を参照してください。

 速攻ノーマークシュートは90%以上の確率で決まりますから、それをとる練習をするよりも、ミスをして簡単に相手にボールをやらないような練習。あるいは戻りを早くしたり、誰がどういう風に戻るかということを練習した方が良いでしょう。

 ロングシュートは位置取りとDFとの連携で取ります。打つ前に動いて逆を衝かれるというのはあまりない話です。ということはかさくさんは位置取りが悪いということになります。良い位置取りをしてガマンして動かないということが大事です。

 フェイントやズラシにやられるというのは、相手の動きにつられて動いているから起こるので、何度も言うようにあなたの予測した場所に誘い込んで取ることがポイントなのです。

 シューターは打つときに大体はいちばん空いているところへ打とうとします。その気持ちを最後まで持たせるようにじわりじわり詰めていって空きスペースを狭めます(前へ出た方がシュート範囲を狭められます)。そして最後にそこへ打たせて両手両足で全力で取るのです。

 こういう風に先を読んで狩人が獲物を追い詰めるようにしなければならないんで、獲物の動くように動いていたのでは、つまり相手の打つペースにあわせて取っていたのではいつまでたってもうまくなれません。

 実際のキーピングについては、編集ビデオ「決勝戦のキーピング」を参考にして下さい。