このコーナーはみなさんから寄せられた質問に答えた内容を紹介したものです。練習の参考になれば幸いです


相 談

シュートのスピードが遅くてもロングシュートを決める方法はありますか?

 これは私がいつも言うことですが、基本的にはどんな選手でも、自ら工夫し、練習し、反省することを繰り返すことによって、一流の選手になる(思うようなシュートを打つ)ことが可能です。

ただし、多くの人は少しだけ練習したからといってすぐにあきらめたり、ひんぱんに練習方法を変えたりして大成しません。ごく一部の人が自分の練習にこだわりを持ち、コツコツとたゆまず苦しい練習に堪えて、いつの日にか勢いよく成長していくのです。

また、人から聞いたことをただ機械的にやっていると、練習方法に自信が持てないので長続きしません。ですから、まず自分の頭で理解し納得することが先決です。

 そして一番大事なのは、ハンドボールが三度の飯よりもスキになるということです。苦しい練習に打ち勝つには目標(目的)を定めるということです。

 前置きが長くなりましたが、シュートスピードが遅ければロングシュートの決まる確率は低くなります。シュートスピードはそんなに簡単に上げられませんから、私は確率の悪いロングシュートを打つよりも確率の高いミドルシュートを狙うようにしたほうが良いと思います。

 つまり、できる限り6mラインに近づいてシュートするということです。そのためにはDFが出てこないところ、出にくいところから、DFが出てくる前にシュートを打つということです。

 DFはポストがいると前へ出られません。前へ出るときはポストをとなりのDFに渡してから前へ出ます。このチェンジのタイミングをうまく逆用するため、ボールをもらう前に位置取りを変えてみるのも一つの手です。

 たとえば、センターOFが右へ移動すれば、ポストマークは右センターDFから左センターDFに変わりますので、さらに左へ移動して、DFがマークチェンジしようとしたところで再び右に移動しながらパスをもらえば、DFは前へ出られないはずです。

 もう一つは、DFのブラインドを衝いたシュートを打つということです。自分をマークしているDFの右側からシュートを狙えば、キーパーはシューターから見てゴール右側にヤマを張っています。この時、ゴールの左側にシュートできればシュートの成功確率は高くなります。

 打ち方については、DFの脇の下から手首で引っ掛けて打ったり、最後のジャンプをやや後方にしたり、自分で工夫してみてください。

 シュートは相手の一瞬のスキを衝いて打ちますので、そのスキを見逃さないようにしてください。スキを衝くためにジャンプシュートの助走をしているひまやスペースが無いという場合は、すかさずステップシュートを打ち込むことも大切です。

 ステップシュートのモーションでフェイントを掛けて、逆方向のカットインシュートに持ち込むのも効果的です。