このコーナーはみなさんから寄せられた質問に答えた内容を紹介したものです。練習の参考になれば幸いです


相 談

高校の県の1年生の大会にコーチとして行ってきましたが、この大会を機会に1年生の指導に参加することになりました。大会の結果は、県のかなり上のほうの3チームと当たってしまったってのもあるのですが、全部25点以上の失点、5点以下の得点で負けました。試合としては、同じハンドボールをやっているように見えませんでした。経験者もいなく、指導者もいないのも原因なのかもしれませんが、これからどう教えていけばいいのか、分かりません。アドバイスをお願いします  

 25点以上の失点と5点以下の得点というのはさぞかしがっかりしたでしょう。 「打つ手がない」という状況下で時間ばかりが過ぎてゆくといった感じですね。しかし経験者もいなく、指導者もいない状態で25点程度の失点なら、まだ鍛えようによってはどうにでもなると思います。

 指導に当たってはまず第1に「指導者の情熱」が最も大事です。 本気で生徒達と向き合って、本気で1つ1つ取り組めば、練習方法が少しぐらい古くても、たとえ素人だとしてもそれは大きな問題ではありません。そのかわり、自分に考えられ得る限りの、でき得る限りのことを妥協せずに行わねばなりません。 「コーチは本気だ」と肌で感じられるようならば生徒は伸びるでしょう。

 第2に明確な目標(チームと個人両方)と、それを達成するための練習方法を確立させます。これはいつでも確認できるようにしておいたほうが良いと思います。また、誰もが仲間の目標を確認できるようにするのも一つの方法です。そして進捗状況をチェックできるようにするのです。

 第3に目標とする個人プレー、チームプレーをイメージさせることです。どんなプレーをやろうとしているのか皆目見当もつかないで練習するというのは、羅針盤無しで航海に出るようなものです。生徒個人個人の特性をよくつかんだ上で、目標とするチームや個人を設定し、そのプレーをビデオで何度も見せたり、試合観戦させたりするのも良いでしょう。その際、生徒とは常にコミニュケーションを図るようにしてください。

 個人技術上達の近道は、まず「良いプレーをまねる」ということです。そしてチームが勝つための近道はディフェンス力をつけるということです。個人のフットワーク力をつけるということと、2〜3人のディフェンスコンビネーションをつくるということですね。

 かわいい教え子に最高のコーチングを施したいならば、まず自分が、最高のコーチになるように努力・行動することです。情熱を