このコーナーはみなさんから寄せられた質問に答えた内容を紹介したものです。練習の参考になれば幸いです


相談  私は試合中よく足が吊ります。どういった原因が考えられるのか、また対処方法としてはどういったことをすれば良いのか、ぜひご教授下さい。

 この質問もスポーツドクター志願の友人に登場していただきましょう。

 これは私の個人的な見解という形で返答させていただきます。
 まず”足がつる”という状態ですが、筋肉の過剰な収縮のことを指します。ご存じの通り筋肉は収縮と弛緩を繰り返して運動を遂行するわけなのですが、その筋肉のスムーズに収縮と弛緩をするリズムが崩れたときに”足がつる”という状態が発生すると考えます。
考えられる”足がつる”原因としては筋肉の疲労、筋温の低下、栄養不足、傷害による影響、心因的ストレスがあげられると思います。

 筋内に疲労物質が蓄積されるともちろん筋肉の収縮スピードは低下し、筋の収縮と弛緩のリズムがうまくいかなくなることは容易に考えられます。筋温が低下している場合も同様です。

 また筋肉が収縮するためにはカルシウムやナトリウムなどのミネラルが必要であることからも、それらの物質が栄養不足により十分に体内に蓄えられてなければ、収縮・弛緩のリズムはうまく機能しないと思います。 
さらにそれらのミネラルは運動中の発汗作用により対外に排出されものですので、運動中の水分補給が十分に得られなかった場合にも起こりうると考えます。

 さらに傷害による影響ですが、もしその選手が捻挫の既往がある場合、足関節の可動域が狭くなっていることが考えられます。そうすると着地時の衝撃を足関節を十分に曲げることにより吸収できず、ふくらばきに負担がかかってきたのかもしれません。また傷害の影響から筋肉が落ちている、筋力が落ちたことによるものであることも予想できます。

 最後に心因性のもの、これはあまり生理学的に説明しにくいですが、過呼吸などがストレスによってよく起こることからも、心因的なものも大きく関与してくるのではと思っています(強引でしょうか)。

 さて、今後足がつらないためにはどうしたら良いかを考えてみます。上記の原因が正しい場合、考えられる対処法としては、ウォーミングアップ・クールダウンを徹底して行うことにより、疲労物資を除去させ、筋柔軟性の確保させること。毎日の疲労が少しずつ蓄積していかないよう、その日の疲労を次の日に貯めないようにケアしてあげることが大切と思います。特にふくらはぎのストレッチ(俗に言うアキレス腱を伸ばすスタイル)を十分行うことにより足関節の可動域も広くなると思いますし、同時に筋の柔軟性も確保できると思います。
夜、風呂の中でふくらはぎを温めながら自分でマッサージを行うのも有効ではないでしょうか。
 また,これは貧血予防ともつながりますが、十分な栄養摂取(1日3食)と練習中の水分摂取の励行されることにより、筋内のエネルギーを蓄えさせた状態で練習をおこなうことが望ましいです。
そしてふくらはぎの筋持久力UPのためのトレーニングを行う、自体重程度の負荷でカーフレイズを行う(負荷ではなく回数で追い込む)ことも必要だと考えます。

 僕も経験ありますが、一度つると結構くせになってしまうものですよね。特に試合中でつってしまったら、それをその試合中で再びベストコンディションに戻すのは難しいものです.
日頃のケアとトレーニング、そして思い切った休養も必要になってくるかもしれません(簡単に休ませるのは僕も好きではないのですが)。

 以上、長く自分の見解を述べさせいただきました。あまり目新しい内容ではなく、お役にたつどうか疑問ですが、もしよかったら参考にしてください。