うちの監督は最近、センター、両45の位置での縦と横の2対2をさせているのですが、「考えながら、何の為にやっているのかを理解してやらなきゃ、普通に何も考えずやってたら意味がない。何回やっても練習になってない。」といつも言うのですが、何に気を配って何を考えて意識して練習すればいいことなのか、アバウト過ぎてよく分かりません。どういうところに頭を使って練習の意味を考えてすれば、「為になる練習」になりますか?
常に実戦ではどうなるかと考えて行動するということです。
たとえば、実戦においてブロックを外された経験があるならば、『ブロックした後に外されたときは、こう動けば次の展開に結びつく』 という逃げ道をいくつか考えておくのです。そうするとまた違った展開にできるはずです。
決められたことを決められたとおりにやっていると、実戦で通用しなかったときにパニックになってしまい、応用手段を講じられないまま力を出し切れずに負けてしまうことが多いのです。
どういったときでも冷静に対処できるようにするには、あらゆる状況下における対処方法をあらかじめ練習しておくのです。ですから、実戦での失敗経験がたくさんあればあるほど、対処方法もたくさんできるわけです。ただ「あー負けてしまった!」では負けた意味がなくなってしまうのです。
たとえば、6m付近にいたポストが9m付近に浮きポストとして出たときも、45度からパスが入ったとき、DFがついてくる場合とついてこない場合があります。何も考えないでDFがついたときの練習ばかりやっていると、DFがつかなかったときに右往左往してしまいがちです。
DFがつかなかったら振り向きざまにクイックシュートを打とうとか、トップDFに近づきながら45度にパスを返してシュートを狙わせて、トップDFを縦ブロックしてもう一度45度からパスをもらおうとか、いろんなケースを想定してケースに応じた対策を立てておくのです。そうするとあなたの行動パターンはいく通りも出てきますから、「考えて行動している」ということになるのです。
指導者の指導がアバウトだと言うよりも、あなたがそこまで自分の頭で考えて行動しなければならないのです。教えられたことをやるというのは、発展性がありません。自分の頭で考えて行動したことは、応用力がついていますので、次のプレー・次の試合につながります。
そうやって1つ1つ成長していくことによって、いつのまにか力強い選手になっていくのです。
ですから指導者はアバウトで良いのです。選手のモチベーションを高めてやって、自らの判断で行動するようにしてやれば、それが一番良いのです。