このコーナーはみなさんから寄せられた質問に答えた内容を紹介したものです。練習の参考になれば幸いです


相 談

 某中学校の右45をやっているのですが、このページを見て、よし!フェイント練習をしよう!と思ったのですが、なかなかうまくなりません。どのように練習したらいいのですか?
あと、学校ではワンフェイク、ツーフェイク、スキップをやっているのですが、他にもフェイントがあったら教えて下さい。

 フェイントの本質は『相手から逃げる』ことと『相手をだます』ことです。鬼ごっこで鬼にタッチされないように逃げることとちっとも変わらないのです。おなかを引っ込めてタッチの手をかわしたり、急に方向を変えて逃げたりするでしょう、アレなんです。

 それと、右へ行くと見せかけて左へ行くとか、パスをすると見せかけてシュートに行くとか、とにかく体全体を使って相手をだますことです。ハンドボールは非常にスピーディなスポーツですから、ゼロコンマ何秒のDFの判断の遅れが即失点につながるのです。

 そしてフェイントの基本はなんといっても『ストップフェイント』でしょう。
相手DFの前方1.5〜2mで足をハの字に開いてストップします。ちょうどスキーのボーゲンをするような感じです。ストップしてDFとお見合いすると、DFは前へ詰めようとします。それをかわして左右いずれかの方向(真横)に一歩踏み込みます。

 右利きなら、右足で右方向に踏み込んだら次の左足でジャンプ。左足でクロスして右方向に踏み込んだら、右足、左足、の2歩でジャンプします。
左足で左方向に踏み込んだら、右足、左足、の2歩でジャンプ。右足でクロスして左方向に踏み込んだら、次の左足でジャンプします。
最初は足をクロスさせないで『ストップフェイント』の練習をして、徐々にクロスを入れていけば良いでしょう。

 障害物の前で「ケン・パ」や「ケン・ケン・パ」をやって瞬間的に横へ飛ぶ練習、横へ飛んで障害物の真後ろへ回り込む練習、これならばいつでもどこでもできます。右横へ飛ぶ前に左方向の足に重心をかけ、左へ行くと見せかけてから右へ飛ぶとうまくいきます。
私はよく電信柱を相手にこれを通学路でやりました。

 45度の場合は詰めて出てくるDFを横にかわして、次のDFが出てくる前に上から打つケースと、詰めて出てくるDFを横にかわしてそのまま6mラインまで持ち込むケースがあります。上から打つ場合はなるべくDFから離れるようにします。6mラインまで持ち込む場合はなるべくDFのすぐ横をすり抜けるようにしなければなりません。

 いつでも一発で相手DFをかわせるようになれば、フェイントが面白くてしょうがなくなってくるはずです。フェイントをかけたくて、わざと相手DFを自分の間合いにおびき出すようになります。そんな風になるまで『ワンフェイク・ストップフェイント』一本で練習してください。
あとはツーフェイク、スキップ(ケンケンで相手DFとの間合いをはかる)、ダジノビッチ(利き腕を振り上げ、逆腕で相手の腕を振り払い、利き腕とは逆方向へのクロスフェイントで相手DFのすぐ横をすり抜ける)、ターン(DFの前で回転する)、ドリブル(ジャンプシュートと見せかけドリブルからカットインシュートに持ち込む)、パス(ラテラルパスと見せかけてカットイン、逆45度へのパスと見せかけて、シュートやカットイン・ポストへのパスなどいろんなプレーに変化する)など、何でも挑戦していって結構です。某さん独自のフェイントをあみ出してください。

 要は『相手から逃げる』ことと『相手をだます』こと、この2点です。


 フェイントの仕掛け方、種類については、私の作った編集ビデオ『ザ・フェイント』を参考にしてください。