このコーナーはみなさんから寄せられた質問に答えた内容を紹介したものです。練習の参考になれば幸いです


相 談

 僕は高校のハンド部で頑張っているのですが、部員が7人しかいません。
みんなやる気はあり、練習を休んだりすることはないのですが、それでもやはり試合が近い日などに攻撃や守りの確認をしたいときなどに少ない人数ではつらいものがあります。
そこで少ない人数でもすることのできる練習や工夫の仕方などを教えていただけないでしょうか。よろしくお願いします。

 部員全員ハンドボールが大好きで、一人も部活を休まないということだけを取ってみても、すばらしいチームだなぁと思います。こういったチームにそれなりの監督・コーチが付けば、みるみるうちに上達するんですが…。世の中うまくいかないものですね。
練習は体力をつけるもの、技術をつけるもの2つに大別できると思います。7人で行うには、これらに「楽しさ」というエッセンスを付け加えなければ長続きしないと思います。モチベーションが高そうなので大丈夫だろうとは思いますが…。基本的に、2人1組の練習方法で構築すれば、競争原理やDF/OFの双方の練習ができたりして良いのではないでしょうか。

たとえば、「体力をつけるもの」の練習例では
@ランニング … 全員で走る場合は、屋外で毎日コースを変えれば退屈しません。そのコースの途中に坂道があれば、2人ずつ競争して坂道ダッシュをするのも良いでしょう。つらい練習も景色がある程度やわらげてくれるはずです。
Aウォームアップ … ミニサッカーやバスケットボール、バトミントン、ビーチバレーなどをウォーミングアップとして練習前に行うことも良いでしょう。
Bフットワーク … 2人1組で競い合うような、フットワーク練習で、様々なボディコントロールを要するものを工夫してください。
 *前転・後転のあとハーフラインまでダッシュ
 *開脚・閉脚ジャンプのあとハーフラインまでダッシュ
 *6m〜9mの詰めと戻りのあとハーフラインまでダッシュ
 *ボール拾いラインターン
 *マンツーマン(6m〜9m、ハーフコート、オールコート)
  などなど…
Cシュート  … これも2人1組で、パスのあと片方がDFに入るようにすれば、より実戦に近づくと思います。これにポストをからませて、シュートあるいはポストへのパス(ポストシュート)の切り替えができるようにするのも効果的でしょう。
Dパ ス   … 2人1組で、コートの中を自由に動きながら、フックパス、スウィングパスバックパス、左右ラテラルパスなどを自由に投げ合います。実戦で隣に来るプレーヤーと組んだほうが良いでしょう。右へ行ったら今度は左というように、切り返しを取り入れながら行うと、より実戦に近づきます。
E練習マッチ … 基本練習ばかりではどうしても「面白くない」「ハンドボールの醍醐味(6対6)が味わえない」ということになりますので、できるだけOB諸兄に来てもらったり、他校と連絡を取ったりして、ゲーム形式の練習を取りいれた方が張り合いが出てくることは間違いないでしょう。

 基本的には4対4ができれば、ほぼゲームの中のあらゆる場面が再現できると思います。部員が7人ということは、3対3が目いっぱいということですから、かなりきびしいですね。もう1〜2人なんとか勧誘できないでしょうか。OBや他チームに声をかけてみるのが妥当かと思います。

基本的なフットワーク練習については、私の作った編集ビデオ『金明恵のコーチング』を参考にしてください。