このコーナーはみなさんから寄せられた質問に答えた内容を紹介したものです。練習の参考になれば幸いです


相 談

僕は高2で、一年間練習らしい練習もせずにハンドボールをしてきました。しかし、一度廃部になった部が先輩の代でまた復活しました。そのことを考えると、一年目は練習をあまりできなかったことも仕方がないと思います。だから、先輩が卒部してからみんなでハンドボール部を変えよう!と言い続けていました。けど、今は練習をサボってもいいやんって空気が流れていて、やる気のある人がやりにくくなってしまいました。僕は一年のときから試合に出ていましたし、いないほうがいいような顧問も僕を通して連絡とかをしていました。それが、いざ先輩たちが卒部すると僕を副キャプテンにして、キャプテンには他の人がなりました。彼は僕に比べるとハンドに対する情熱も明らかにありません。僕は強いチームになりたくて顧問に思ったことや意見を言い続けてきました。顧問はそんな僕がキャプテンになると困ると思ったに違いありません。間違いありません。そんなこともあって、僕が二年の中で浮いているような気がします。それに耐えながら一ヶ月やってきましたが、もう限界です。今の一年生を鍛えればかなり強くなると思います。だからできることは何でもしてきました。そして、今僕がハンドボールを続けれているのは後輩を強くしたい気持ちだけです。しかしあまりにも同級生の、信じていた仲間の変わりようが…これからどうすればいいのでしょうか?何もかもが嫌になってきます。


 一度廃部になった部が先輩の代でまた復活して、あなたのようにまじめで理想に燃えるような人がメンバーの中にいれば、その気概を引き継ぐことができれば、部は必ず発展を続けます。

 ただ、人間は環境に左右されるところが多く、「サボってもいいやんって空気」に浸ると、多くはそうなります。環境は一人一人の心掛けがつくりあげるものです。一人一人の心掛けは、理想に燃える人の行動が火をつけるのです。

 あなたは「理想に燃える人」の1人です。あなたの「行動」が仲間の心に灯をともします。あなたは万人が惹きつけられるような「行動」を示すことができる数少ない人の1人です。

 では、その「行動」とはどういうアクションでしょう。人が感動するのは「ひたむきさ」です。動物がひたむきに獲物を狙う姿、日本一を目指してひたむきに練習するアスリートの姿、重度障害からひたむきに社会復帰しようとする障害者の姿など、「1つのことを一心に追い求めてあとのことは一切考えない行動」が人に感動を与えます。

 今、あなたができる行動は、「好きなハンドボールを徹底的に好きになるように練習すること」です。

 あなたは、本当にチームを強くするためにハンドボールをしているのでしょうか。1年生を鍛えるためにハンドボールをしているのでしょうか。本当はそうではないのではありませんか。「ハンドボールが大好きだから」やっているのではないでしょうか。

 他のことは一切考えずに、大好きなハンドボールをもっともっと大好きになるように練習し続けるのです。たとえ1人になっても練習し続けるのです。そうすると、顧問や仲間がどんな行動をとろうが、あなたには関係なくなってきます。こうやって人の2倍も3倍も練習していると、一度離れた仲間があなたの生き生きとした姿を見てまた戻ってきます。

 しかし、それを期待してはいけません。自分が期待したとおりの結果にならなければ、当然落胆してしまいます。気持ちが沈んでしまいます。やけになって雰囲気を悪くし、環境を悪化させます。あなたは人をどうさせたいなどと大それたことは考えずに、一生懸命ハンドボールに打ち込むことです。

 わかりましたか?「1人で生きる」ことです。「楽しく生きる」ことです。回りを気にせず、「今の練習の中で徹底的にハンドボールを楽しむ」ことです。

 頑張ってください!