このコーナーはみなさんから寄せられた質問に答えた内容を紹介したものです。練習の参考になれば幸いです


相 談

僕は、高校での部活を引退して2ヶ月になります。そして、大学に行っても続けるつもりです。
現役時代は右サイドをやっていました。今日は、OBとして同期の部員3人と練習に参加しました。
まず、ポジションシュートでサイドシュートを打ったのですが、かなり衰えを感じました。
ゲームではフローターもやったのですが、ディフェンスが出てこなかったらシュートを打ち、出てきたらパスをしていました。それで、シュートはけっこう決めたのですが、同期の部員から、「お前がフローターをやるとダメだ。」と言われました。彼は現役時代はフローターをやっていたので、言われるままでした。次のゲームでは彼がフローターをやったのですが、それを見てよく考えました。まず、パスワークがよりスムーズでした。また、シュートももっと決めていました。見ていると簡単そうに見えますが、実際にやるととても難しいです。それでも、いろいろなポジションをこなせるようになりたいと思っています。
また、現役時代の頃から、「フェイントが遅すぎる。」と言われてきました。
練習といっても、受験勉強もしなくてはならないので、そうそう練習には行けません。こういう状況でも、むしろ上手くなりたいと思っているのですが、どうすればいいでしょうか?

 

まず、上手くなりたいのならば練習するしか方法はありません。そして、むやみやたらと練習しても効果はありませんので、何を獲得したいのか目標を定めて練習すべきです。

 やったことのないフローターを、自分の考えだけでみようみまねでやっても、これも上達するはずがありません。友達と一緒に練習したとき、「お前がフローターをやるとダメだ」と言われたそうですが、どう『ダメ』だったのかもっと詳しく聞いて、それを直すように練習を積み重ねるべきなのです。

 フローターの動きは、細かく言えばもっともっといろんなことを考えながら行うべきなので、できればもっと上の先輩(大学でプレーして社会人になっているような)の指導を仰いだ方が良いと思います。

 このHPの「ハンドボール教室」にもいろいろ書いてありますので、参考にしてください。

 そして、もう一つはビデオをしっかり見て全体の動きを把握することです。できれば、全国大会クラスや実業団の試合のようなハイレベルのゲームのビデオを見て研究してください。1人の人がシュートする前に、その前の人はどういう動きをしてDFを引きつけているか、その前の前の人はどういう動きでDFを引きつけているか、よーく観察するのです。

 そうすると、「得点するためのパターン」がいくつかわかってきます。その「パターン」をつくり出すような動きをみんなで行えば、得点の可能性が高まります。

 フローターは打つだけではなく「味方に打たせる」動きも必要なのです。自分だけシュートして「あーあ気持ち良い」では、チームワークもできなければ、攻撃が単調になってDFに読み切られてしまいます。

 私は、あなたはまずサイドのスペシャリストになる方が先決ではないかと思います。「サイドをやれば誰にも負けない」という自信をつけることです。そこまで奥義を極めると、シュートのコツとか、フェイントのコツとか、走り込みのタイミングとかがわかってきます。こういうことというのは意外とどこのポジションも共通しているのです。

 今の「ハンドボールがスキ」という感情をなくさないように練習にもある程度参加し、大学で思いっきりプレーするようにすれば良いのです。あせる必要はありません。まず大学に入学することに全力を傾けるべきですが、大学はできればハンドボールの強いところが良いですね。