このコーナーはみなさんから寄せられた質問に答えた内容を紹介したものです。練習の参考になれば幸いです


相 談

新チームになって実戦を想定してフットワークをするようにメンバーに心がけさせて、編集ビデオなどを見てメニューを変えました。まだ変えて一ヶ月なのですが、久ぶりに先生が来て六人速攻をさせられました。そして、お前らフットワーク変えたってパスがスムーズに渡らなきゃ意味ねーんだよ。練習のための練習だなっと言われました。せっかく色々考えてもなんだか自分がやっていることが無駄に思えてきます。先生は週二回くらいしかこないし、練習メニューも指示しません。もう限界です。フットワークの成果が一ヶ月で出るとでも思っているのか?先生が口だけで練習に身が入りません。どうするべきでしょう?



 まず、新チームになって「実戦を想定したフットワーク練習をしよう」と考えてメニューを変えたのは、私は大正解だと思います。

 フットワークの成果なんてそんなに簡単に出てくるものではありませんが、これがすべての動作の基本になります。

 そして、ハンドボールは「走って」「跳んで」「投げる」スポーツであり、プレーをする上で特にキャッチとスローが重要になってきます。

 第1段階がフットワーク練習だとすれば、第2段階として『フットワークとパスキャッチ』を融合した練習が必要になってきます。これはフットワークができるようになってから行うのではなく、並行して行う必要があります。

 当面は、@フットワーク練習、Aパスキャッチ練習(走りながら行う)、Bシュート練習、Cコンビネーション練習(2×2、3×3)を徹底的に行い、それぞれスピードアップさせることを心掛けてください。スピードをアップさせるとミスが出ます。そのミスをなくす過程が、個人個人にとっては非常につらいんだけれども、それを克服することが実力のアップにつながるのです。

 これを信じて地道に頑張ってください。1ヶ月のフットワーク練習で大きく変わると思ったら大間違いですし、個人個人が2×2や3×3の基本的な動きをマスターしていない状態で6人の速攻なんてうまく行くはずがありません。

 基本形から突然完成形を求めると必ず失敗しますので、あせらずコツコツ練習を重ねていくことが大切です。ただし、みんなが自分の限界を引き上げようとするような雰囲気をぜひ、つくって欲しいと思います。

 先生が口だけで生徒を批判するのも、練習メニューを指示しようとしないのも、いかがなものかと思います。指導者とは選手の成長を喜ぶべきであり、選手たちが自分達で練習方法も創造しながら、暗中模索で頑張っている姿勢こそ、大いに誉めてやるべきだと思います。成果はその次の問題です。

 多分先生はハンドボールをよく知らないか、あまり部活(人間教育)に情熱をもっていないか、ということではないかと思いますが、先生も人間です。あなた達の情熱が伝われば、きっとその気になってくれるはずです。

 一度部活の時間外に、先生にあなた達の考えと練習方法を示し、先生の考え方を確認してみてはどうでしょう。先生とじっくり「ハンドボール部を強くする」ための話し合いを行うのも良い手だと思います。そのときは先生の言うことがおかしいと思ったら「こうではないでしょうか」としっかり自分達の考えを伝えることです。

 先生の言いなりになると状況は変わりません。口先だけの言いっぱなしで、責任のついてまわらない議論はやめるべきです。本当に今のチームをどう上達させるか、について先生と生徒が真剣に話し合い、お互いに納得できる練習方法を創りあげてください。

 そしてそれを実践してみて、悪い所は修正し、改善していけば良いのです。その進行状況を先生と相談しながら進めていくと、先生も真剣に考えざるを得なくなるはずです。

 先生との話し合いを行うまで、あなた達は今の練習を「自信を持って」続けてください。自分達が良いと思った練習方法を信じて一生懸命やることが、一番良いことなんです。

 もし良かったら、先生にこのHPのことを話してみてください。できるかぎり皆さんの力になりたいと思います。