このコーナーはみなさんから寄せられた質問に答えた内容を紹介したものです。練習の参考になれば幸いです


相 談

私は今、高校でハンドをしてるのですが、うちのチームにはいっぱい悩みがあります。
私はキャプテンなんですが、指導者がいないので注意するにもちょっと目の届かないところは限界があって困っています。

 まずDFは全体的にはフォローとピストンがよくできてなく、一部の人しか声を出さないのでコンビがうまくとれないし、DFの間が等間隔になってないから広いところをよく突かれます。特にフォローはボロボロです。フォローの効果的な練習方法が知りたいです。
 あとは2枚目DFの2人がよくアウトに抜かれるんです。マンツーで抜かれる場合もあるけれど、よくあるのがカットを狙いに行って裏を抜かれるパターンです。これは正サイドを守っているDFもよくやられます。(この場合はずらされている上のDFも悪いのですが)2枚目はやはりカットにでない方がいいのでしょうか?
 それと正側を守っている2・3枚目のコンビネーションが最悪なんです。声を掛け合わないから2人同時に前に出てポストががら空きになったり45がロングを打ちに来ているのにどちらも前にでなかったりします。特にポストが入ってきた場合は最悪で半分くらいそこで失点します。
 
OFについてはうちのチームはサイドがあまり機能しないんです。1人速攻の飛び出しが遅かったり、ずらしていってもシュートをあまり決めてくれません。工夫した攻めもないです。
 
それと上の3人は二次速攻は3クロスで攻めているんですけど、うちのチームは8人の小人数なので練習試合や合同練習じゃないと二次速攻の練習が満足にできないのです。すごく速攻が下手なチームなんです。ポストのいる位置はどこがいいのか、上の3人はどうゆうふうな動きをするのがいいのか等がよく分かりません。
 
あと、最後にキーパーがサイドシュートが大の苦手なんです。「これは止めてよ」っていうシュートをよくいれられます。それ以外は上手いキーパーなんですが。サイドシュートを止めるいい練習方法はあるんでしょうか?
 
たくさん質問してしまいましたすいません。
実はうちのチームは全員3年生なので6月の総体で引退です。
絶対に良い結果を残して気持ち良く引退したいので、どうかアドバイスを宜しくお願いします。


 チーム全員3年生で6月の総体で引退ということならば、あと1ヶ月間「悔いの残らない練習」をして、3年間の高校生活を充実したものにしたいですね。

 これはキャプテンに頑張ってもらうしかありませんね。まず、チームのみんなを集めて、@「県大会ベスト4」などの目標を設定し全員で確認します。A現在のチームの「欠点」を洗い出し、これも全員で確認します。B解決策と練習方法を話し合います。C「1ヶ月間のみ徹底的に頑張る」ことを誓い合います。

 キャプテンはチームメイトの中でも特に親しい1〜2人と上記@〜Cをもっと突っ込んで話し合い、お互いに「くじけない」ことを誓い合います。
 1ヶ月間の中には挫折しそうになることもあるでしょうが、この親しい1〜2人はお互いに信頼しあって、親密にコミュニケーションを取って難局を乗り切ってください。

 そして、みんなで決めた翌日からキャプテンは自分に120%の負荷をかけて練習に取り組み、勉強や他のことを忘れて「ハンドボールの虫」になります。どんなにつらくても、手を抜きたくなってもキャプテンは妥協せずに頑張ってください。

 くじけそうな部員がいたら、「頑張ろう」「頑張ろう」と明るく声をかけ、もっともっとキャプテン自身から声を出して一生懸命取り組む姿勢を見せます。親しい1〜2人がそれに続くようにしておいてください。そうすると練習の雰囲気が変わってきます。これが最も大事なのです。

 フォローの練習方法は、6×6や練習試合が最も効果的でしょう。人数が少ないなら、他校と連絡を取ったり、中学校とやっても良いと思います。

 とにかくノーマークになりそうなOFがいたら、誰でも気づいた人がまず声をかけるということ、そして原則として一番近い人がそこへすっ飛んでいく、ということです。「自分のマークだけ見ていれば良いや」、という考えはすぐに捨ててください。このケースが一番多いのです。自分が攻撃されていないときは棒立ちになっていて、自分の横に相手が入り込んできても、腰が落ちていないからスグに対応できないのです。

 一番危険なところを真っ先に「みんなで守る」ことが第一です。いつでもフォローできるように、みんなが腰を落とし、周りに目配りしてください。あとの展開を予測し、臨戦体制を整えておくのです。
 もし、だれもフォローに行かなかったら、キャプテンが行ってください。一番近い人がフォローに行かなかったことをしかるのではなく、なぜ行けなかったかを聞いて、すぐにその場で対策を立ててください。
 フォローに行った人が横にずらされたら、その隣りがすぐにフォローし、最終的にはサイドで勝負さます。確率的にはサイド勝負が一番良い方法だと思います。


 2枚目が抜かれても最後までついていってください。完全に抜かれるギリギリのところまで行ったら、サイドがフォローに行き、サイドシュートで勝負させます。45度とサイドの間からカットインシュートされたら、これは2人のDFの責任ですが、サイドシュートを決められたらしょうがない、誰の責任でもないとあきらめるのです。

 キーパーは内側だけは打たれないようにゴールポストをさわっていて、サイドが飛び込む瞬間に思い切って前へ出ます。「待って取る」とだいたいやられます。この時、頭の上か脇横に打たせるように誘い込んで取ると比較的うまくいくはずです。
 サイドシュートは至近距離から打ってきますので、キーパーにとっては「恐怖との戦い」となります。しかし、怖がっていては絶対にうまくなりませんし、チームも勝てません。シューターは決めようと思って打ってきますので、めったには顔面に当たりません。思い切って前に出て取ってください。


 45度がシュートしようとしているのに前へ出られないのは、ポストを誰が見ているのかハッキリしていないことと、当の45度のマークが誰なのかをはっきり声を出して連絡していないからでしょう。
 基本的には45度DFが45度OFを見て、ポストはセンターDFが見るということですが、早く前へ詰めないとインに切られたらシュートされるのがこわいから、センターDFも前へ出ることになります。ですから、前へ出るときは先のプレーを読んで早めに9mラインまで思い切って出てください。中途半端はいけません。

 声はつらい時にはなかなか出ないものです。そういう時はキャプテンが率先して普段以上の大きな声をかけてください。その声に親しい1〜2人が続いてください。

 パスカットには出ないほうが良いと思われます。相手の裏をかくだけの判断力とフットワークが不足していることも考えられますので、いらぬ冒険はせずに、着実にゲームを戦ってください。弱いチームが強いチームに勝つ秘訣は、DFを強化してできるかぎり失点をなくし、「ロースコアの試合展開にする」ということです。

 速攻時のポストの位置は決まっていません。DFのいないところへ走りこむだけです。二次速攻は3クロスにこだわらず、スピードとパワーで(勢いで)なだれ込むようにして下さい。

 とにかく1ヶ月間「死ぬ気になって」頑張ってみてください。