このコーナーはみなさんから寄せられた質問に答えた内容を紹介したものです。練習の参考になれば幸いです


相談
 センタースリーの基本的な動き方を教えてください。

 まず、センタースリーのやり方については「こうだ」と確定すべきではなく、チーム状況に合わせてより効果的なやり方を研究開発すれば良いと思います。
 センタースリーのメリットとしては、幅20mのコートを目一杯使えるということ、となりのフローターにシュートを狙いながらの素早いパスを送れるということ、3人共にいつでもシュートを打てるということ、相手DFの陣形を崩すパターンが豊富に考えられるということ、いつでも2:4のスタイルに移行できるということなど、数えればきりがないくらいですが、これらのメリットを活かすような動きを溝築すれば良いのです。
 ではごく基本的にな動き方について考えてみましょう。

『ズラシ』

 DFが一線防御の場合、サイドCPがサイドDFと45度DFの間へカットインしながら45度CPへパス。45度CPは45度DFとセンターDFの間へカットインしながらセンターCPへパス。センターCPはセンターDFの間へカットインしながら逆45度CPへパス、この時点でポストCPを含めてサイドの3:2を作ろうというものです。従って上の3人は常に平行移動することになります。
 この場合、DFはボールのある方向に動きますので、左サイドから仕掛けたら、パスした後すばやく元のポジションに戻ります。サイドCPも45度CPも左サイドラインぎりぎりまで戻ります。そうすると自分の前に居るはずのDFがずーっと右の方に見えるはずです。で、右サイドからボールがかえって来る時にDFの死角から侵入できるわけです。
 45度CPもセンターCPもパスをもらった瞬間にシュートを狙えるタイミングで走り込まないと、DFを思うように動かせません。実際、DFが詰めて来なければシュートを決めねばならないのです。その時のためのシュート練習はしっかり行なって下さい。

『ディフェンスの振り』

 ズラシはパスした後すぐに元のポジションに戻りますが、今度は例えばセンターCPが右45度CPへパスした後、パス方向(右45度CPが居た位置ぐらいまで)に動きます。そうすることによってDFをもっと右に寄せます。左45度CPはパスをもらえるように、センターCPに合わせて右方向に動きます。センターCPは右サイド方向からもらったボールをすばやく左45度CPに返し左に移動します。こういう風にオフェンス全体を右に左にコートいっぱいに大きく移動し、DFをゆさぶります。
 これにポストやサイドの回り込みを組み込んでやれば効果的な攻撃となります。(ボールのある方向とは逆方向のポスト、サイドが回り込む)今の場合、パスをもらった左45度CPは攻撃範囲が大変広いはずですから、DFにとっては怖いはずです。従って左45度DFかセンターDFが早めにチェックしてくる(前へ出る)はずなのですが、そこへ右サイドCPやポストが回り込んでボールつなぎをすると、前に出たDFを下げることもできますし、縦ブロックもできます。そして常にDFの死角を衝くことができますね。つまり、相手の陣形を崩すことができるわけです。
 実践では崩れたあとDFを引き付けて、もう一度右45度CPにパスした時がチャンスになります。崩したその時よりも、崩してワンテンポはずして、相手が立て直そうとした時のほうがよく決まります。

『センターCPのカットイン』

 センターCPが正面からフェイントを掛けながらカットインシュート、あるいはジャンプシュートを狙いながら45度CPにパス。そのままポストのいないセンターDFの横に入り、ダブルポストとなります。
 センターCPがポストに入る時に、センターDFと45度DFとの間でマークの「チェンジ」が行われます。この一瞬生まれる「チェンジ」の隙を衝いて45度CPとポストとの連携プレーをつくるわけです。
 多くは45度CPのクイックシュートかポストへのワンツーリターンパスといった形の攻撃になりますが、あとは2:4の攻撃スタイルとなります。

『センターCPと45度CPとのクロス』

1.センターCPの切り込み
 センターCPが中央正面からフェイントを掛けながら、切り込んできた45度CPとクロスしながらバックパス。45度CPが逆45度にパス展開している間に、切り込んできた45度CP側方向へ移動し(余裕があればサイドラインぎりぎりまで移動すればDFラインが広がります)、ボールが返ってくるのを待ちます。
 返ってくるボールをもらいに行く時も、なるべくDFの死角から切り込むとフェイントが掛かりやすく、DF陣形が崩れやすいのです。45度CPはフェイントからのカットインシュート、サイドへのパス、ポストへのパス、逆45度へのパス、逆サイドへのパス、の5通りを瞬時にして判断しなければなりません。
 ドリブルは極力避けます。ジャンプシュートからパスを狙った時、DFに完全にマークされていた場合のため(ダブルドリブル防止対策)にとっておくのです。

2.45度CPの切り込み
 45度CPが中央に切り込んできた時に、センターCPが後ろを回って移動前の45度CP定位置へクロスしてフォローに入ります。45度CPが切り込んで相手45度DFを引き付けてセンターCPとクロスすれば、逆45度CPからセンターCPにパスが渡った時に広い2対1ができるはずです。
 45度CPの切り込みは空走りとボールを持った場合とがありますが、空走りのほうが効果大でしょう。逆45度CPはサイドラインぎりぎりから走り出して、自分マークの45度DFとセンターDFの間からジャンプシュートと見せかけてパスを出すと効果的だと言えます。

『45度CPとサイドCPのクロス、センターCPの移動』

例えば左45度CPからセンターCPにパスが渡った時に右サイドCPが右45度DFと右サイドDFの間を空走りします(右サイドDFの不意を衝く)。それとクロスする形で右45度CPはサイドへ移動します。センターCPはサイドへ移動した右45度CPにパスを出し、右45度の定位置に移動します。
 サイドに入った右45度CPはサイドシュートを狙いますが、ポストや左45度CPへのパス(スカイプレーもできます)でチャンスを広げることもできます。
 空いたセンターCPのポストはポストCPが上がったり、体勢を立て直す時に補充します。

 以上、簡単にセンタースリーの動きについて考えてみましたが、前にも言ったように、やり方なんて星の数ほどあると思います。是非、伸長やシュート力など自分達のメンバーの特性に合った動きかたを研究し、創り上げて下さい。
 もしお望みでしたら無料相談の『ネットワークコーチ』をご利用ください。

 また、私の作成した編集ビデオの「フォーメーション特集1〜8」は、ほとんどがセンタースリーの動きで構成されていますので、参考にして下さい。