このコーナーはみなさんから寄せられた質問に答えた内容を紹介したものです。練習の参考になれば幸いです


相 談

私は高校1年生でキーパーをやっています。
フィールドからキーパーになりました。キーパーになってからもうすぐ1か月となるのですが、最近キーパーがつまらなくなってきました。嫌になってきたというより、フィールドをやりたいと言う気持ちが大きくなってきた感じがします。でも、1年生は私一人だけで、来年度のことを考えるとこのままキーパーでいる方がなにかとチームとして都合が良いんです。それに、よく足を怪我するからキーパーになったので、フィールドになれたとしても、(新1年生が入ってきて)部長なのに怪我してチームのみんなに迷惑をかけたくないんです。
チームメイトにも相談も出来ないし、なんだかよく分かりません。チームの為にキーパーでいるか、それとも自分のやりたいフィールドをやるべきか…。どう思いますか?

 

 チームが強くなるには、まず個人個人が自分のポジションでの力量を高めなければなりません。奥義を極めるような努力が必要なのです。そうすると、そのポジションの難しさ、ハンドボールの奥の深さがわかってきますので、さらに努力し続けなければならなくなってきます。

 そうすると、いつのまにかそのポジションでの独創的なプレーができてきます。試合で試してみると、自分でも惚れ惚れするようなプレーができたりするのです。このときの「気持ちの良さ」はやったものにしかわからない、すばらしい感覚です。相手が強くなればなるほど、「もっと気持ち良くなりたい」と思うものです。

 そこまでになるには、相当の研究、工夫とと努力が必要です。あなたはまだキーパーを始めて1ヶ月です。自分のポジションの責任を果たすほど練習しているとは到底思えません。一度キーパーになったからには、どんなシュートも止められるくらいの技術を身につけるように努力すべきです。

 一生懸命努力して練習すると、キーパーというポジションの面白さがわかってきます。「どういうタイミングで、どんな軌道で前へ出て、どこへ誘い込んで、左右の手足のどっちで取るか」「実業団の○×さんの位置取りはどうだろう」などと考え、工夫しながら、とにかく他のことは一切考えず、キーパーのことに専念してみてください。

 キーパーはDFの要です。良いチーム、強いチームには必ず良いキーパーがいます。チームを強くしたいのならば、ここに最も運動能力の高い、気の強い選手を置くべきなのです。

 あなたがそれにふさわしい選手ならば、ぜひキーパーとして全国に通用するような選手になって欲しいと思います。そして、キーパーというポジションの面白さを、ぜひ体で味わって欲しいと思います。

 
実戦におけるキーピングは編集ビデオ「決勝戦のキーピング」を参考にしてください。