このコーナーはみなさんから寄せられた質問に答えた内容を紹介したものです。練習の参考になれば幸いです


相 談

 こんにちは、高校でハンドをやってる者です。僕のチームは0:6DFから1:5に変えるつもりなのですが、僕自身はトップDFかセンターDFをやることになりそうなので、この2つの基本的な動きについて教えて下さい。
 トップDFは、相手チームの上の3枚にコートを広く使われたり、そのうちの一人が引き付けるような動きをしたり長めのパスなど使われると振り切られて簡単に打たせてしまったりしてトップの意味がないような気がするのですが、どのような動きをすれば良いのか詳しくアドバイスお願いします。 それと、センターDFの役割、動きやポストOFの対処方法についてもアドバイスお願いします。



 まず、0:6から1:5に変えるのはどうしてなのでしょうか。0:6のほうが守りやすい(1:5が守りにくい)のならば、あえて1:5に変える必要はないと思います。

 1:5は下段が5人になるため、DFの間隔が広がるということと、トップと45度・トップとセンターとの間に段差ができますので、そこを攻められると崩れやすく、フットワーク力とOFの動きを先読みする能力が無ければ、非常に難しいと思います。

 このDFスタイルの利点は、真中に攻めてくる強力なアタッカーを守るのに適しているということと、45度間のパス、サイドから45度へのパス、あるいは45度からセンターへのパスカットを狙えるという点です。

 ですから、まず0:6DFでしっかり守ることができるようになるまで練習してください。0:6がしっかりできていることを前提として、相手に応じて1:5に変化するようにしたほうが効果的だろうと思います。

 1:5ディフェンスはトップDFとセンターDFで決まるといっても過言ではないでしょう。

 まず、
トップの動きですが、センタースリーで攻撃された場合、センターDFは真中の選手を見ます。45度からのパスカットを狙いますのでセンターのすぐそばまで出ても結構です。

 45度がインに切ってきたら、センターへのパスをけん制しながら斜め後方に下がり、45度DFとはさみます。あまり45度DFの方へ移動するとセンターにパスが渡った瞬間にシュートされますので、ゴールの中央から垂直に伸ばした線(以下中央線と言う)よりもやや45度寄りではさみます。この時、45度OFが切り込んでくるのか、センターにパスを渡すのかをぎりぎりまで観察(あくまで自分のマークはセンター)しながら、「来た!」と思ったらはさみ、「パスした!」と思ったら瞬間的に大きく真横へ移動します。

 センターが逆45度にパスしてポストに落ちたら、パスをさせないようにそのまま6mあたりまでついていきます。センターDFが来たら、ポストを逆45度DFにまかせて、今度は逆45度がインに切り込んでくるのを防ぐため、9mラインまで浮きます。中央線と逆45度DFの中間あたりまで寄って出てください。

 逆45度がアウトに切り込んだら、中央線と6mラインの交点あたりまで下がり、ポストを見ると同時に、45度の切り込みに備えます。つまり、原則として45度がインに切ったら浮き、アウトに切ったら沈みます。

 この時点で上は2枚になっていますので、パスが逆45度から45度に渡ったら、すぐに中央線と9mラインの交点あたりまで戻り、45度のインへの切り込みに備えます。この時、45度からポストへのパスがありますので、戻りながらポストへのパスカットを狙います。あとは同じことを繰り返します。

 トップDFの動く範囲は、幅が9mラインでいえば中央線と45度の中間から中央線と逆45度の中間までで、高さは中央線でいえば6mラインからセンターOFの位置(13〜15m)までのひし形になります。

 
センターDFは、主にポストを見ます。6mライン付近をポストに移動されないように、なるべく6mラインにへばりついていてください。

 最初は中央線よりもボールのある方に少し移動し、ボールに対してポストを背に置きます。パスを通させないように絶えず手を上げていてください。

 トップがカットインで抜かれてもすぐにはフォローに行きません。ポストとフローターを両天びんにかけ、少しポスト寄りになっています。最後に「シュートだ!」と思ったら、ポストへのパスをケアしながら少しだけ(7mぐらいまで)詰めて、ポストのいるサイドと逆のサイドへ打たせて、キーパーと勝負させます(手を上げて思いっきりジャンプしてください)。

 センターがポストに落ちて上が2枚になったら、サイド上がりの場合45度DFがポストを見て、トップが45度を見て、センターは中央線よりやや45度寄りになって、自分の後ろにいるポストへのパスをケアします。このポストが回り込んだりトップブロックに入ろうとしたら、浮いてチェックします。
 45度が45度DFの上やアウトから勝負しようとしたら、いつでも45度DFの後ろにいるポストにフォローにいける距離まで詰め寄ります。
 逆45度にパスが渡ったら、すぐに中央線と6mラインの交点付近まで戻ります。そして逆45度DFが前に出たら、その下にいるポストに注意します。いつでもフォローできるような位置まで寄りますが、もう一方のポストも見なければいけませんので、ある程度距離を置き(後ろのポストへのパスをケアしながら)、ポストへパスが入ったら一気に詰めます。

 センターの動く範囲は、6mライン上の45度から逆45度までを底辺とし、中央線と9mラインの交点を頂点とした二等辺三角形となります。

 文章で書くと非常に説明しづらいのですが、トップとセンターの「両天てんびんにかけながら、あいまいに守る」ことの上手さが問われてくるDFなのです。

 世界ではフランスがよくリシャーソンをトップにした1:5DFを敷きますが、最もオーソドックスなスタイルで非常に参考になります。ロシアも1:5DFを敷きますが、こちらはシュート力のあるいずれかの45度に重点的にトップが付くという変形1:5DFです。


 1:5ディフェンスの守り方については、編集ビデオ「1:5ディフェンスの基礎」を参考にしてください。