このコーナーはみなさんから寄せられた質問に答えた内容を紹介したものです。練習の参考になれば幸いです


相 談

僕は、運動神経が悪いです。運動神経が良い人のステップを見て、憧れます。今、最も憧れているのは、日体大の小林選手(大分国際情報高)です。彼のような、何とも言えない素晴らしいステップを踏むのは、運動神経の悪い人にはできないのでしょうか。別にステップにこだわる必要はないと言うかも知れませんが、あのようなステップが出来ることによって、さらにプレーの幅が広がるのではないかなと思うのです。運動神経が悪いので、今の所、編集ビデオを見まくって、シュートタイミングを色々と変えたり、シュートフェイント、パスフェイントをしたりして、カバーしているというか、色々とやってます。それで何で悩んでいるのかというと、周りの選手との関わりが全くないのです。シュートタイミングを色々と変える、シュートフェイント、パスフェイントをするのは、それ自体は良いことだと思うのですが、周りの選手からは、パスが遅いとか、とにかく遅いと言われ、周りの選手がやりづらそうにしているので、ステップを軽快にできるようにしたいのです。


 ステップのうまさは運動神経の良し悪しで決まる行うものではありません。練習の質と量で決まります。

 あなたがすばらしいと思っている小林選手は、多分、中学・高校と血のにじむようなフットワーク練習を積み重ねてきたのだと思います。決して運動神経が良くて、少しだけ練習してうまくなったのではありません。

 ステップの基本はストップ・ターン・ダッシュです。普通のステップ、クロスステップの両方で練習してください。

 ハンドボールにおける攻撃は、6人でやります。けっして1人でやれるものではありません。また、最後にシュートするときは、高い確率で決める自信と決まるシチュエーションが必要です。「決まるかどうか不安」であったり「行けるかどうかわからない」と判断したときは、DFを引き付けて、つかまる前にパスしなければなりません。

 この判断を早くしないと「パスが遅い」と言われることになります。パスフェイントやシュートフェイントは、DFの動きを一瞬止めて次のプレーへスムーズに展開するためにやります。したがって、フェイントの後のプレーが遅かったら何にもなりません。

 また、シュートフェイントやパスフェイントはいつも行うものではありません。本当に「ここだ」というポイントで使って欲しいと思います。

 周りの選手がやりづらそうにしている状況は、ステップを軽快にしただけでは直りません。ボール離れを早くすることです。そして、自分でシュートに行くよりも、周りの人に一番良いタイミングでシュートさせることです。

 そうすると、シューターにDFが集中しますので、結局はあなたがフリーになったりする(リターンパスをもらえばシュートできる)のです。

 こういう理屈をしっかり頭の中に入れておいてください。

 
ちなみに2002年のインターハイで優勝した氷見高校のセンタープレーヤー海道選手は、ジャンプシュートがほとんどなく、パスワークの名手でした。彼は、自分が活きることではなく、人を活かすことでチームを強くしたのです。