このコーナーはみなさんから寄せられた質問に答えた内容を紹介したものです。練習の参考になれば幸いです


相 談

僕は高校に入ってからこの一年間、レギュラーになったりならなかったりと、自分の足場が安定していません。最初レギュラーになって頑張ろうと思った矢先、いきなり外されてしまい、またその1ヵ月後ぐらいにはレギュラーになりました。
 そして、病気で2週間近く練習に行けなくなり、その間にまたレギュラー落ちしてしまいました。その時は仕方ないと自分に言い聞かせてきましたが、やはり試合に出られないのは、言いようのない悔しさが込み上げてきました。僕は基本的に負けず嫌いで、レギュラー落ちというのは、はっきり言って堪えれませんでした。
 そんな思いを抱えながら、ほんの数日前先輩の1人が部活を辞めて(休部かもしれませんが)、僕がそのポジションをやることになりました。練習の時には、DFの1対1はそこそこ強いのですが、今日の試合でも相手に何回も抜かれてしまいました。でも、決して守れない相手ではありませんでした。そしてそれが原因なのか顧問の先生は僕には何もアドバイスなどなく、僕を外しました。試合で空回りしてしまうのは、僕の練習不足なのでしょうか・・・。
 この一年間、自分をできるだけ信じてハンドをやってきたつもりです。ですが、こんなことが何回も続くと、自分を信じれません。またこの繰り返しなような気がして、もうハンドを続ける自信がありません。でも、僕はハンドボールが大好きです。僕はこれからどうしたらいいのでしょうか?



 あなたはレギュラーになるためにハンドボールをやっているのですか。レギュラーでなければハンドボールは楽しくないのですか。
 
 ハンドボールそのものの楽しさは、練習でも十分に味わえると思います。ですから、レギュラーを目指すことも大切なことですが、それ以上に「練習を楽しむ」ことに全精力をつぎ込むようにしてみればどうでしょう。

 負けず嫌いは競技選手にとっては、もっとも必要な要素です。悔しい思いをしなければ人間は成長しません。あなたは現時点では、自分でも認めるように能力的に劣っているようです。だから「自分はなぜ、どこが劣っているのか」をしっかり分析し、その対策を練って、日頃の練習を自分の弱点を克服する為の練習に切り替えていくのです。そして、いつまでに克服するか(いつまでにレギュラーの座を不動のものにするか)という計画を立てて、それまでは補欠になろうが、ベンチにも入れない事になろうが気にしないことです。レギュラー落ちなんて屁とも思わないような「心の強い」人間になってください。そのためにも、とにかく「今に見ておれ」と毎日の練習に励む事です。この『練習に取組む姿勢の変化』がきっとあなたに成功をもたらすことになります。

 1×1で守れて、試合で抜かれるというのは、「気配りが足りない」証拠です。ポストを見ていて自分のマークを見るのが遅れたとか、逆サイドの動きを見ていたら自分のマークを見失ったとかいうことがよくありますが、DFというものは同時に2〜3の動きを見ながら、次に自分が起こす行動を予測しなければならないのです。
 そして相手の動きに応じて動くというのではなく、相手の動きを予測して先手を打って動かなければ守りきれるものではないのです。

 自分のマークを見ながら、ポストや隣のOFの位置や動く方向もいつもチラッチラッと見ていて、それに合わせて自分の位置を修正し、差し込まれないようにしていなければならないのです。多分、あなたはそのへんの気配り・目配りが不足したときに、抜かれているのだろうと思います。

 ハンドボールに限らずスポーツは奥が深いものです。DFの仕方も工夫次第でまったく変わります。もっともっとハンドボールについて勉強して、すばらしい選手になってください。