どこのチームの45度よりも小さいということですが、だから「フェイントのみを武器にする」というのはどうかなと思います。フェイントはその後に続くプレーの展開を有利にするための技術です。その後に点をとらなければ意味がないのです。
また、相手が強くなればそう簡単にマンツーマンで抜かせてはくれないでしょうし、相手が大きくなるとこれまで以上にきれいに抜かなくては、腕と力で止められてしまいます。
小さいならば小さい選手のメリットを最大限発揮するべきでしょう。特に小回りが利くことと、瞬間的なスピードに優れることを利用すればどうでしょう。
具体的な攻撃方法としては、45度OFに固定せずにセンター、逆45度、ポスト、サイドと、どこでもできるようにすれば良いと思います。そして全員がどこでもできる攻撃スタイルをつくるのです。攻撃に際してはズラシとクロスを組み合わせ、フェイントを駆使してめまぐるしく展開できれば良いのですが、最後は縦の攻撃で6mラインにへばりついたDFの上・あるいは横から勝負してください。
小さな選手に適したフェイントと言ってもピンとはこないのですが、どちらかといえばステップでかわすフェイントというよりも、体全体でかわすフェイントが多いと思います。
基本的にはストップフェイントをまず練習してください。右へ抜くには左足の踏み込みの力強さと沈み込みの深さ(重心の左移動)、その後に続く左足の抜きの速さ(重心の右移動)がポイントとなります。
つまり、全身を使って「右へ抜くぞ」と思わせ、DFが右へ行こうとした瞬間、左に抜くのです。
これが完璧にできるようになれば、45度DFのアウトをフェイントで抜いてください。そうすればサイドの2×1ができます。
「抜けた!」と思った瞬間にサイドへバウンズパスを出せば、高い確率でシュートまでいけるはずです。この45度アウトフェイントはきっとあなたの大きな武器になるでしょう。
内側に抜いたときは、相手DFのすぐ横をすり抜けて、その後ろに回り込むようにします。まず、単独で抜いてシュートまで持っていけるようになるまで、練習を重ねてください。非常につらいとは思いますが、めげないで頑張ってください。
次に、フェイントだけでは先を読まれて攻め切れなくなることが予測されますので、ポストをうまくからめ、ブロックも利用してポストへのパス、センターへのパス、サイドへのパス、シュートのいずれかを選択できるようにします。
ただし、パスはシュートではありませんから、パスで終わっていては前進がありません。「シュートだ」と思わせる必要があります。小さいといきおいDFに近くなり、プレーが寸断されることが多いものです。ジャンプするときはこの「間合い」をしっかり取ってください。前へジャンプするよりも真上へジャンプしたほうが良いときもあるでしょう。
パス後の展開も前もってセンターやポストと相談し、コンビネーションをつくっておいたほうが良いでしょう。フェイントが切れれば、DFを2人引き付けることができますので、センターやポストがフリーになる可能性が大きくなります。ここでコンビネーションが生きてくるのです。
45度と同じように、センターもアウトフェイント・インフェイントで2人を引き付け、その後45度とポストを絡めて得点するコンビネーションをつくっておけば、いつでも得点できることになるのです。
2人を引き付けるポイントは、ストップフェイントの「キレ」にあります。徹底的に練習してください。
フェイント方法については、編集ビデオ「ザ・フェイント」や「小さな巨人たち」を参照してください。