このコーナーはみなさんから寄せられた質問に答えた内容を紹介したものです。練習の参考になれば幸いです


相 談

あと一週間くらいで春季大会なんですけど、どうも私は前々から調子良い、悪いの差が激しくて困っています。
「GKだから」ってことじゃないと思うんですけど、もし一週間後の春季大会で調子の悪い日だったら絶対負けてしまうんじゃないかなぁと心配になります。
先生に言ってみても「やる気をだせ」と言われるだけでどうしたらいいのか分からないし、せっかく皆で頑張って強くなってきたのにこのまま負けるのは凄い後悔すると思うんです。
集中力の面ではそれなりに上手くコントロールできるようになってきたんですけど、どうしても機嫌(気分)が乗らないと上手に取れないんです。
なにか提案やアドバイスくれると嬉しいです。
やっぱり無理やりにでも気分を晴らしてみればいいんでしょうか?



 調子が良い悪いで感情のブレが大きく出るようでは、まだまだメンタル面の訓練が足りないようです。

 よーく考えてみてください。調子が悪いと悩んでいて取れるようになるでしょうか。悩めば悩むほど手足が自由に(思い通り自然に出る)ならなくなります。調子が良くてバンバン取っているとき、「うれしーっ」と喜んでいても、何らかの理由で平常以下しか取れなくなったら、「あんなに良かったのに」と、良かった分だけよけい落ち込むことになります。そして、感情の起伏はキーパーの反応を微妙に狂わせます。
 ですから、良いときでも喜ばず「どうすればもっと取れるようになるか」ということだけを考え、現状に満足しないようにしなければならないのです。

 キーパーにとっては「取る」か「取れない」かのいずれしかありません。「取った」場合は、シューターがどの位置からどういうタイミングでどんな姿勢から打ってきたときにどうやって取ったかを、しっかりイメージングしておきます。それが他の選手にも通用するかどうか確かめなければなりません。同じような状況下で他の選手を止められなかったら、どこが悪かったか分析して再度挑戦してみます。これを繰り返すのです。

 「取れなかった」場合は、どうして取れなかったのか自分なりに仮説を立て、それに対する対策を練って再度挑戦します。それでも取れなければ、また対策を練って挑戦します。この繰り返しです。

 わかりますか。こう考えると悩んでいるひまなんてないんです。良かった、悪かった、と感情的になっているヒマもないんです。常に取るために工夫し続けるのみなのです。工夫するということは積極的になっているということで、この「積極性」が選手にとっては最も大事な要素です。

 ただただ「取る」ことのみ考えて欲しいと思います。


実戦におけるキーピングは、編集ビデオ「決勝戦のキーピング」を参考にしてください。