このコーナーはみなさんから寄せられた質問に答えた内容を紹介したものです。練習の参考になれば幸いです


相 談

僕はディフェンスのとき、前に詰めてもOFが一番フェイントで抜き易い間合い(1.5mくらい、9mより少し後ろくらい)まで行ったら止まってしまい、OFをが来るのを手を広げて待ってる状態になってしまいます。そこからもう少し前にでればあたれるんですけど、それがなかなかできないんです。あまり出過ぎるとチェンジのとき動く距離が長くてポストに落とされたりするから、当たりに行く瞬間に横に切られたら後追いで追いかけるしかないような気がするんです。DFは当たりに行かないときはどの辺まで出て、OFがどこまで入ってきたら当たりに行くべきなんですか?



 ディフェンスが前に詰めるのはOFに当たるためではありません。OFに自由な攻撃をさせないため、OFの勢いを減少させるためです。ですから、OFの動きをけん制できるならば、あえて当たる必要もないのです。

 よっぽどすごいアタッカーでない限り、一般的にはDFは9mまで詰めれば十分です。(すごい選手ならば9mの外まで詰めてください)「OFがどこまで入ってきたら当たりに行くのか」ということは、相手の身長とスピードによって異なります。大きくてスピードのある選手ならば、普通の選手よりも早く前に出なくては間に合わないと思います。

 9mまで詰めて相手の縦の突込みを阻止し、あとはサイドステップで横の変化に対応するのです。ということは、9mまで詰めただけでて相手の縦のスピードを殺すことができれば、次にくる横の変化についていけますが、9mまで詰めても縦のスピードを殺すことができなければ、当たってスピードを殺さなければ横の動きに対応できなくなります。

 つまり当たるかどうかは、9mまで詰めたときの相手のスピードがどうかということにかかってくるということです。これは実際に対戦したときに、見た方が良い(突っ込んでこないのなら無理に当たりに行く必要はない)のか、当たった方が良い(当たらなければスピードで振り切られる)のかを判断するしかないということです。

 前に詰めたときに重心が後ろにあると、つまり腰が引けた状態になっているとそれ以上前に詰められませんので、横に変化された場合反応が遅れて横や後ろから追いかける形になってしまいます。

 ですから、詰めた状態でも腰を落とし、いつでも前に出られるように上体を起こして少しだけ前かがみになります(重心を前に置きます)。そしてOFが横に変化したら、ななめ前に出てOFをななめ前に押し出すようにすると、OFと一緒に横移動するような形になるのです。


実戦におけるDFは、編集ビデオ「鉄壁のディフェンス」を、フットワークについては「金明恵のコーチング」を参考にしてください。