このコーナーはみなさんから寄せられた質問に答えた内容を紹介したものです。練習の参考になれば幸いです


相 談

 こんにちは。高校でハンドボールをしているものです。
速攻の練習をしたいんですが、練習ではコート半面しかとれません。
どのように練習したらよいでしょうか。
あと、1次速攻、ハーフ速攻、2次速攻のこつを教えてください。



  速攻はただ速攻の形式練習をすれば良いというものではありません。「ルーズボールは絶対にマイボールにする」という強い執着心を持つことも大切でしょうし、いろんな要素がからんできます。

 速攻を成功させるには、「キーピングとすばやい球出し」「出足のスピード(マイボール判断)」「フットワーク・フェイント」「敵・味方、全体の配置の読み」「正確なパスワーク」「《詰め》の力強さ(勢い)」が高い次元でバランスが取れていて、全体のものとなっていなければなりません。

 したがって、ストップ・ターン・ダッシュなどの基本的なフットワーク練習と、小さなステップ(瞬間的に相手を半身抜く=スピードで抜く)・大きなステップ(力強くジャンプする・相手を大きく抜く)を使い分けた中盤〜終盤のフェイント練習が基本となります。

 出足のスピードはスタートダッシュの練習、特に3歩ダッシュを行ってください。マイボール判断については、6×6や練習試合で勘をつかんでください。

 フットワーク練習は、エンドラインからハーフラインまで、攻める方と守る方が1×1でフェイントをかけながら(守りながら)移動するという練習を行ってください。最初は小さいステップで何度も抜きながら、ハーフラインを6mラインに見立てて、その手前では大きなステップで力強く抜いてください。

 スローイングとキャッチ・相手をかわす練習としては、サイドにOF(ボールを持ってサイド奥に立つ)とDF(9mライン付近)の2人を置き、サイドOFはキーパーにボールを投げてすぐにダッシュ、DFをかわしながらパスを受けられる位置に走ります。キーパーはサイドOFにパスします。DFはサイドOFを守りながらキーパーからのパスをカットします。ハーフラインまででこれを行ってください。

 パスワークの練習としては、コートセンターにエンドライン〜ハーフラインまで4〜5人のDFを立たせ、その両側にOFを置き、パスしながらエンドライン〜ハーフラインまでダッシュします。パスカットされないように工夫してください。
2人のOFの間にDFを1人入れ、2×1のパスカット速攻練習を行うのも良いでしょう。

 全体の配置の読み練習としては、ハーフラインにOF4人を相手ゴール向きに立たせ、次順のOFと向き合います。DFは両45度(9m付近)と12〜13m付近に任意に2人置きます。次順のOFはそれぞれボールを持っていて、キャプテンが「左サイド」と声をかければ左サイドの次順OFが左サイドOFにボールを渡し、そこから全OFがゴール向きになり速攻を掛けます。他のOFはDFの陣形を瞬時に判断して、開いた空間に走り込みパスをつないでゴールを狙います。

 キーピングとすばやい球出しについては、2次速攻に早くつなげるという意味で、45度DFとセンターDFの3人を6mラインに立たせ、OFはポストと45度に置きます。どちらかの45度が9mからシュートし、キーパーは捕球後(ボールは真下に落とす)できる限り速くセンターDFに短いパスを出します。この時ポストはセンターDFへのパスカットを狙いますので、センターDF・キーパー双方はパスを受けられる(出せる)位置にすばやく移動しなければなりません。センターDFはパスを受けたら、ハーフラインまで速攻に出た45度DFにパスします。シュートした45度OFも逆45度OFもパスカットにまわります。
 
 《詰め》の力強さ(勢い)は、最後はマンツーマンでも1×2でも、9m以内ならばわずかな隙間でもチャージング覚悟で突っ込んで(なだれ込んで)いくということです。ここで弱気になったら必ずパスミスを犯し、逆速攻で逆に相手に得点されてしまいます。チャ−ジングはOKですから、恐れず突進してください。

 練習方法は自分たちで工夫することも大事ですから、みんなで話し合ってみてください。



 速攻については、編集ビデオ「小さな巨人たち」を参照してください。