このコーナーはみなさんから寄せられた質問に答えた内容を紹介したものです。練習の参考になれば幸いです


相 談

速攻について全体的にわからなくなってきました。まずどういう状態なら速攻をかけていいのかということ。じっくりセットでせめるべきか、早く攻めるべきか…こういう話をするとどこまでが速攻なのかという議論をしなきゃいけませんが。次にどういう速攻をすればいいのかとういことです。シチュエーションとしては相手が4〜5人程もどっている状態とすると、まず大事なのはスピードが大事だと思うんですが。どっちにしろ話し合いが必要だとは思いますがなにを基準にして速攻の攻撃パターンをきめていくべきなんでしょうか?フィニッシュの位置でしょううか?ディフェンスの穴の位置でしょうか?最初からばっちりフォーメーションを決めるべきなんでしょうか?どうか具体的な対処法をアドバイスしてくださるとうれしいです。まだなにも核となるものがないので。最後に速攻のつなぎについてなんですが、フリーの選手基本的にはどう動いてあげるべきなんでしょうか?前をよこぎってあげるべきか、後ろから追い抜いていくべきか?離れるよりも近づいてあげるべきか…



 速攻は相手DFが陣形を整える前に攻めますので、攻撃側が圧倒的に優位になります。DFが6mラインまで戻る前(コート中間に浮いている状態)ならば、スピードだけで簡単にマンツーマンで抜けますし、抜いた後に大きな空間ができます。その大きな空間にハイスピードで攻め込むと、受身のDFでは守りきれなくなります。

 したがって、速攻の初期段階では、DF数がOF数の同数以下ならば、成功確率が非常に高くなりますので、ゴーサインです。この場合、突っ込むのはDFの間隔の広いところです。

 また、DFのフットワークが良くないとき(マンツーマンで確実に抜けるとき)は、DF数が同数以上でも速攻を仕掛けても良いでしょう。最終的に9〜10mぐらいでフェイントを仕掛けて抜き去り、次のDFを引きつけて味方のカットインにパスします(もちろん抜ければシュートまで行きます)。この場合は平行で後ろから走り込んでくる味方を確認しなければなりません。基本的にはフォローDFも引きずりながらシュートまで持ち込むだけのスピードと度胸が必要になります。

 前を横切るとか後ろを走るとか考えるよりも、どうやって早く勝負ポイントまで、あるいは空いた空間まで走り込むかを考えてください。そして、早くそこへパスを入れるということです。もっと単純に考えて良いんじゃないでしょうか。まったくクロスを使わなくてもシュートまで早くいけるならば、それはそれで良いと思います。

 DFとDFの空間をスピードで抜き去る場合、ポストなどが寄ってくると空間が狭まります(DFがゴチャゴチャしてくる)ので、フリー状態のポストでも動かないか、その地点から逃げるような動きをしたほうが良いでしょう。

 速攻を掛けない方が良いときというのは、ミスを連発しているようなときです。気持ちが先走って冷静さを欠いたあげく、視野が狭くなっているときは、パスミスやキャッチミスを犯しやすくなります。速攻はスピードが命ですが、スピードが速くなればなるほど視野も狭くなりがちです。したがって、こういう場合はセット時よりもなおさら、状況を冷静にすばやく判断できなければならないのです。