これは私がいつも言っていることですが、弱いチームが強いチームに勝つには「徹底的に守って失点を最小限に抑え、少ない勝機をものにして逃げ切る」ということです。口で言うのは簡単ですが、「徹底的に守る」というのはそんなにたやすくありません。DFの基本であるフットワークと2×2のコンビネーションを徹底的に反復練習し、自信をつけることがまず大切です。
失点はほとんどパスカットからの逆速攻ということですが、やれた時のパターンを頭の中に焼きつけて置いてください。今後の対策にも必要ですが、逆に自分たちのDF時は、このパターンがリズムをつくるのに最も効果的であることを知っておいてください。
さて、ではなぜパスカットされるかということです。DFは常に「相手の裏をかく」ことを狙っています。「相手にシュートする気が無い」と判断すれば、当然パスカットを狙ってきます。それこそパスカットを気付かれ無いように、巧妙に仕掛けてくるでしょう。
したがって、DFにパスカットさせないためには、パスするギリギリのタイミングまでシュートを狙うということです。「ポストが空いた」とか「となりの45度がフリーになった」と思ったら、パスするのではなく、自分がシュートに行くのです。本気で「シュートに行こう」と判断して一歩踏み出した時からが「パスするタイミング」なのです。最初から「シュートの振りしてパスしよう」と思っていると、シュートに力強さがなくなりますので、パスを読まれてしまいます。本気でシュートに行ってシュートが打てる時、パスも通るのです。シュートが打てなくなった時は、パスも通りません。シュートとパスのどっちにするかは、その時の判断、応用問題です。楽しんで解いてください。
次にパスする時の心約束事ですが、
@パスする前にドリブルはつかないということ。最初にドリブルすると、パスするところがなくなった場合窮地に追い込まれます。これはシュートに行く場合も同じです。ジュンプしてシュートできなかった時でも、空中でドリブルすれば次のプレーにつなげることができます。
A最低2ヶ所、できれば3ヶ所へのパスを念頭におきながらパスするということ。45度ならば、ポスト、サイド、逆45度へいつでもパスできるようにしておくと、パスカットに出られた場合に応急処置できますし、3ヶ所のいずれかが空く場合もあります。
あなたが分析した5項目については、そうならないように工夫してください。特に「ドリブルをつかない」ことを練習で徹底してみてはどうでしょう。パスとパス前の走り込みがスムーズになると思いますし、一人一人のボールの保有時間も短くなるでしょう。
パスについては、編集ビデオ「小さな巨人たち」「ナイスパス特集」が参考になると思います。