このコーナーはみなさんから寄せられた質問に答えた内容を紹介したものです。練習の参考になれば幸いです


相 談

僕達のチームには指導者がいません。練習方法も何もよくわからないままに活動してきましたがなかなかうまくなれません。とりあえず、チームの紹介をしたいと思いますので、できればアドバイスをお願いします。


GKは 169センチです

>小さいですね。俊敏性はどうですか。韓国の静石航空工業の林監督は、最も運動神経が良く、最も気の強い選手、リーダーシップの取れる選手をまずキーパーに指名するそうです。ここいらへんを見習って欲しいものです。全国大会の上位のチームは必ずと言って良いほどキーパーが良いのです。

右サイド 178センチ 55キロ 体はでかいのですが線が細い左利きです。シュート能力がちょっと…。 肩が弱いのですが、チームの戦術をよく知っていて、サイドからポストに入るのがうまい。でも倒れ込みができない。

>サイドの仕事の第一はサイドシュートを決めることです。 いつでも狭いスペースからシュートにいけますか? その確率が50%以上にならなければサイド失格です。 イヤというほどサイドシュートを打つ練習をさせてください。細部については「ハンドボール教室」に書いておきました。

右45 172センチ 65キロ 主将で中学経験者。右利き。 いつもセンターまでカットインしながらノールックでポストにパスを出すのが得意。そして自ら1対1に持ち込んでシュートするのもOK。なんでもこなせる万能選手で彼のおかげでうちのハンド部は成り立っています。

>これくらいの身長ではエースとしていつでも点を取る、というのは難しいと思います。 「うまい」だけにワンマンになりやすいですし、みんな彼に頼ろうとするので、彼のプレーが通用しなくなったとき、チームは拠り所を失って『総崩れ』になってしまいます。彼に頼らず、個々の力量を高めることが必要ですし、彼は、なるべく自分で勝負せず、まわりの選手に勝負させる『コントロールタワー』になったほうが良いのではないでしょうか。そうなると、センタープレーヤーの方が合っているかも知れません。

センター 160:50キロ 元々サイドだったのですが、センターの故障により急きょ昨年の秋からセンターをしています。そのせいかボール回しはできるのですが、そこからどうやってポストにもっていくか、あまりよくわかっていません。

>センターは核です。ゲームの流れ、勝負どころ、人使い、等をうまくコントロールできる人間であったほうが良いのです。サイドは「職人」です。どんなときでもシュートを決めねばならないのです。サイドはサイドに専念させたほうが良いと思います。

左45 172 :62キロ キープ力あり。DFの1枚目と2枚目の間をわって、シュートするのがうまい。ただ視野がせまく、サイドにずれている時もそのままロングシュートに行ってしまう癖があります。ただそのロングシュートもスタンディングシュートに比べるとかなりスピードが落ちてしまう。

>アウトフェイントが効くのは45度プレーヤーとして大きな武器となります。しかし、45度プレーヤーは6mラインまで行って勝負するようでは視野が狭くなってダメなのです。常に9mラインのあたりでボールをさばけなくてはならないのです。9mライン外でボールをもらい、ディフェンスの陣形を確認して、「ジャンプシュート」「ステップシュート」「ポストへのパス」「サイドへのパス」「センター、逆45度へのパス」と、一番確率の高い攻撃方法を瞬時に選択しなければならないのです。フローターの3人はあまり相手に近づかず、自由に動けるような位置取りを取る必要があります。

左サイド ジャンプの打点が低いものの、シュートセンスはかなりいいものをもっています。

>シュートフォームには個人差があると思います。打点が高く、滞空時間が長いのが理想です。 が…要するに点を決めれば良いのです。もう一つは、速攻の速いことです。一時速攻は出るタイミングで決まります。できるだけ相手に裏を衝かれないギリギリのタイミングで、早くでなければならないのです。一本速攻が多ければ試合は楽な展開になります。

ポスト 175:70 自分があまりポストについては分からないので、うまくはいえません、、、、右45との連携によるシュートが多いです。

>ポストへのパスはそんなに多くのパターンがあるわけではないので、2つ3つフローターとフォーメーションをつくっておけば良いと思います。 ポストはパスが通ったら1点、と言えるほどシュート確率が高くなくてはなりません。キーパーが前へ出たとき、下がっているとき、両方のパターンで練習してください。

DF 右2枚目 167:63 身体能力はないですが、、、頭でカバー。。。。

>ハンドボールはゼロコンマ何秒を競うスポーツです。 頭で考えている余裕などありません。考える前に体が動くようになるまで徹底的に反復練習しなければならないのです。相手の「狙い」を瞬時に読み取って、相手より早く「その地点」に到達しなければならないのです。ディフェンスは常に相手よりワンテンポ遅れてしまうのですから、「先読み」が最も大事なのです。

DF 左サイド 165センチ 50メートルを6秒台で走る快速の持ち主。

>良いですねー。あとは徹底して、シュート練習とキーパーとの球出し練習を行うべきですね。

チーム的にはフローターの3人はキープ力はあると思います。それにポストのからみが少ないような感じがします。

>キープ力があって、ポストがからまないというのは、ほとんどがカットインシュートだということでしょうか。一人でシュートに行って、「あー気持ち良かった」「あー悔しい」の世界では、チームは強くなりません。シュートが決まっているうちは良いんですが、決まらないことが続くと「こんどこそ、こんどこそ」と自分のことしか考えられなくなり、調子が悪いのにムリをするので自滅するのです。だから、日頃から「仲間に打たせるプレー」を練習するのです。最終的に判断して、自分のほうが確率の高いときは自分で行けば良いのです。 そうするうちに仲間のプレーの質がわかってくるので、ムリなパスは出せないし、スピードのコントロールもできてきます。これが「チームの和」につながるのです。「ナイスカットイン!それ、シュート」と思ったときにグーッとガマンして放ったポストへのパスが活きるのです。そしてポストシュートが決まればパサーもポストも気持ち良いのです。そうやって信頼感が生まれていくのでしょう。

ちょっとサイドが見劣りする感じがしますが。。。ただ、、、全国の選手を見ていて何かしらシュートの打ち方などに違いがあるかんじがします。

>サイドオフェンスの弱いチームは、相手ディフェンスを広げることができません。徹底的にサイドシュートの練習をしてください。練習の前、練習の後、自主的にやることと、うまいサイドプレーヤーのシュートの打ち方を「真似る」ことです。

レギュラーは基本的にはパスキャッチはちゃんとできます。DFは6−0ディフェンスです。みんな小さいので上からロングを入れられたりするのが多い。それ以外はDFはできてるように思います。いつも10−10ぐらいのロースコアになることが多いのですが、地区予選ではレベル的にちょうど真ん中ぐらいで弱いところには快勝し、、、強いところにはぼろ負けしてしまうことがあります。

>シュート力のある相手とやるときは、高い位置取りの6−0ディフェンスを敷いたほうが良いでしょう。しかし隣とは必ず段差をつけることと、センターディフェンスの1人は必ず6mライン上にいて、ポストに走られないようにしておかねばなりません。 自分のマークの選手が隣にパスしても、6mラインまでではなく少しだけ下がるようにして下さい。切り返してきたときに瞬時に前へ出られなくなりますから。

練習メニューはいつもランニングから始まり、柔軟をして、キャッチボール。それから三角パスをながめにやっています。

>練習のための練習をどれだけやっても効果は薄いと思います。 その練習が実践のどういう状況を想定しての練習なのか、はっきりさせなくてはなりません。だらだら走るのは無意味。静止した状態でのパスキャッチは無意味。 規則正しく走るパスキャッチは無意味。 それぞれの練習の中に、実践を想定した動きを取り入れてください。 急激にストップしたり、方向転換したり、ジャンプしたり、フェイントしたりしながら、行うのです。

控えでできないものが多くスピードを早くするよりも確実性を重視しています。

>実践で相手は手加減してくれません。 相手よりも速いスピードでボールコントロールができなければ、劣勢に立たされてしまうでしょう。ですから、勝つためのハンドボールを目指すのならば、スピードを上げなければ意味がありません。 控えの選手は全体のスピードについていけるようになるまで、個人的に努力するよりほか無いのです。 勝負の世界は厳しいのです。 レベルの低い選手に合わせた練習をしているようでは強くなれないと断言しましょう。

そしてステップ。ジャンプ、サイドシュートをしてからポストシュートをしています。それからロングシュート。

>みんなが同じシュート練習をする必要はないと思います。 ポジション別のシュート練習を重視してください。 実践を想定したパスからのシュート、実践を想定したディフェンスの配置など、工夫してください。

切り返しをしてから3対2速攻。片面4対4遅攻か3対3.そしてOBがきたときに6対6をしています。 それから関西リーグ一部の大学でハンドをやっていたOBさんに2ヶ月に1度くらい練習を見てもらっています。

>OBとの練習試合はどんどんやってください。 終わったらどこが悪かったか、みんなで話し合う場をつくってください。 そこで対策を練って、そして、次の練習で悪かった部分の改善を行うのです。

こんど4/5に練習試合をするのでそのときにビデオを撮ろうと思います。

>ぜひ、送ってください。

あまり僕もハンドをよく知らないのでいろいろおしえてください。

>教えると言うよりも、一緒に考えましょう。 ですから、僕はこう思いますが、どうでしょう? というように、まず自ら考えることが必要です。 ぜひ、頑張ってください、応援しています。