このコーナーはみなさんから寄せられた質問に答えた内容を紹介したものです。練習の参考になれば幸いです


相 談

県内にインターハイ常連校があるのですが、練習次第で今年は勝てるかもしれません。でも選抜でその学校の練習に参加して、自分のチームに戻るたびに練習のレベルの違いに焦りを感じます。うちのチームは一年生がほとんどハンドボール初心者でレベルの高い練習がなかなかできません。監督は勝てると言うけど・・私が見たところこのままだと絶対勝てません。私がもっと上手くならなきゃと思うのに、チームの練習では簡単にプレイができすぎて上手くなれる気がしません。できない一年生にイライラしてしまう自分も嫌。焦るばかりで、どうすればいいのかわかりません

 

 まずは、焦ってチームが強くなるものではありませんから、腹を据え、腰をドッシリ落ち着けてチームの強化に取り組むことです。

 あなたも1年生のときはそんなに上手くなかったと思います。今の1年生も同じです。最初から上手い人なんて誰もいないのです。

 どれだけ1年生をしごいても、しかりつけても、急には上手くなれないのです。上手くなる時期というものがあるのです。それよりも「上手くなりたい」という気持ちにさせてやることが大事なのです。

 この「上手くなりたい」という気持ちが強くなればなるほど、自らが主体的に、効率的に練習に取り組んでいくもので、この積み重ねであるとき急に上手くなるものなのです。

 ですから、「イライラ」や「焦り」は絶対に禁物です。冷静な判断が下せなくなりますし、下級生を育てようという観点が薄くなってしまいます。

 上級生がハンドボールの技術を的確に下級生に教えることができるようになれば、背景理論も含めてプレーが確実に自分のものとなりますので、自分のプレーの質がグーンと向上します。自分が上手くなりたいと思ったら、まず下級生の指導をキチンと行い、下級生を上手くすることです。

 ななしさんはインターハイ常連校の練習でハイレベルな経験をしているわけですから、そのすばらしさをみんなに伝えてやってください。「ハイレベルなハンドボールの楽しみ」を驚きと感動で伝達してください。みんなと同じ視線に立って「よりハイレベルなハンドボールの楽しみ」を味わおうとチーム全体を盛り上げてください。

 チームというものは、一人だけ突出しても「力」にはなりません。「楽しい」と思う心、「勝ちたい」と思う心、「仲間のために頑張ろう」と思う心、そういった心の総和によるエネルギーが「力」を生むものなのです。

 したがって、上手い選手は3歩進んだら、2歩下がってみんなを指導し、みんなとともに1歩ずつ着実に成長していくことが大切なのです。

 目先の勝負にこだわらず、一つの目標に向かって、焦らずに頑張ってください。